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菓蔵家  野の菓子つれづれ nonokashi

simple is beautiful  筑紫平野は東北端、朝倉から心に感じたままに綴っていこうと思います。

  

お別れの夕暮れ
佐野先生葬儀夕暮れ



6月11日公私ともに大変お世話になった版画家の佐野至先生がお亡くなりになられた。

とてもここには書き表せないほどのご恩をいただいた。

私はとてもとても不出来な教え子でありました。

色々な所へご一緒いただいた思いでが浮かぶ。

お宅におじゃました時には

「ようきたね~がんばりよるね。アリガトウ アリガトウみんな元気ね」
 
「床嶋君、少しぐらい変わっちょかんで どげんするかい!」

・・・・・・・先生の言葉が浮かんでくる。

甘木・朝倉の街中や野山をあるいていると先生の足跡には至る所で出逢うことが出来る。

先生のように強く故郷や人を愛せるようになりたいと思う。心よりご冥福をお祈りいたします。

葬儀の際にも読まれた先生の「版画集佐野至/ふるさと甘木あさくら」のあとがきの一文を載せておきます。

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画集発刊など考えもしなかった。それでも描き続け、彫り続けてきたのは、棟方志功の「上手くそより、下手くそ」

の言葉に支えられたからです。「佐野至ふるさと版画集」など夢のような話も、退職という人生の節目だから実現する

のかも知れない。多くの方々に支えられ、こんなにうれしいことはありません。

いつの頃からか、先生になって良かったなと思ったし、至(イタル)の文字が好きにもなった。今でもイタちゃんと

呼ばれて楽しい。その音色の中に変わらぬ友情と、過ぎし日々が思われ、ふるさとがあるからでしょう。

  銅像山をかけ登る。なたね畑に沈む夕日。

  さらし乾す川原の石熱く、夏一日川遊び。

  霜の朝、校庭の陽だまり、みんなと走る。

  障子に電燈の温かい光、下駄の音、冬の夜。

  子供の頃の町並、土や石垣や野原の雑草、木登り、雨後の水たまりがこいしい。

わが青春時代は戦争だったから、一生ロマンを追い求めるのかもしれない。
 
教職、沢山の子供たちが通り過ぎてゆく、あの顔、あの声、みんなと歩いた道、登った坂、無我夢中で忙しく走り

まわったような気がする。気がついてみると結婚式場で祝詞を得意顔で言っている。みんないつか帰ってくる、

ひげをはやし、前髪を上げて化粧して、子供をつれて、しわを増して帰ってくる。楽しい話、きつい話、街に生きる

物語。何でも話すがいい。ミュージカル「屋根の上のバイオリンひき」や「キャッツ」のテーマ曲のように聞こえる、

相変わらずきびしくガンコな返事をするだろう、先生らしく。「イタチ会」の皆んなは私に勇気とやりがいをわからせ

てくれた。教え子の皆さん有り難とう。

絵は好きだったが字が下手で、今でも上手になれない。文章はえん歌調だし、版画は情はあっても美しくない。

夜おそくまで仕事をするから火の用心にはなる。何度描いてもうまくゆかず、夜中の二時頃になっても出来ず

外に雨がふる時など悲しくなる。健康にめぐまれ、多くの方々と出会い、手をにぎって今があると思うと、

涙の出る程有難く今後の生き方もおのずから決まる気がする。

一度ゆっくり歩いて来た道をふりかえり、新しい時代に対するエネルギーを蓄積する時間がいる。

そして、もっと楽しい、もっと嬉しい、もっといい仕事のできる、尽くす時代に向かってスタートすることにしよう。


版画集出版にご協力いただいた関係諸氏に心から感謝いたします。

ありがとう皆さん、ありがとうございます皆さん。へこタレません。 

一九八六年三月十五日 最後の卒業式の日、晴れ

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◎写真は先生とお別れした日の甘木の夕暮れです。














category: 未分類

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コメント

菱屋、のんた様
コメントありがとうございます。
ご無沙汰しております。先日は御大役お疲れさまでした。
本当に先生にふさわしい立派なご葬儀でありました。
のんた様が弔辞で読まれた先生の版画集の一文を聞いたときには思わず涙が出ました。
葬儀後、改めて先生の版画集を見て自分のブログに載せさせていただきました。
私は、不出来な教え子でした。
これからは先生のように強く故郷を愛し、人を愛し、困難な現実を見据え、掘り返して前に進んで
いけるような人になれたらと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

URL | yoshihiro #-
2010/06/19 11:09 | edit

今日は。
至先生の通夜、葬儀とご両親共々ご迷惑をおかけしました。おかげで盛大な葬儀でお浄土へ送ることが出来ました。
私も自分のブログを時々更新しています。が、貴方はこまめに更新しておられます。なかなか出来ないことですね。コメント欄へはトラバは出来ないようなので、「のんたの気ままログ」上のURLへ書き込んでおきます。
菱屋の、のんたでした。

URL | のんた #-
2010/06/18 15:52 | edit

ありがとうございます。

合谷様コメントありがとうございます。
見ていただけてうれしいです。
私は先生にお世話になるばかりで何の恩返しもできていませんでした。
そのご恩に自分なりに答えられるような人間になりたいと思っています・・・・・・・・・・・
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

                          

URL | yoshihiro #-
2010/06/17 07:08 | edit

はじめまして^^自然が大好きでかくれファンです。佐野先生の事よく書いて下さいました^^私も福岡からお嫁に来て41年間お世話になりっぱなしで、とても落ち込んでいます。いまでも"しずかちゃ~ん”と言って来られるような気がします。こちらのブログをみて、改めて先生の偉大さを痛感いたしました。これからは先生の意思を受け継いで、欲を持たず自分で出来ることで人のことを思いやる事。心がけたいと思います。ブログを読んで嬉しくなり、ついコメント致しました。多くの方の心の中に先生は生き続けているのですから。ありがとうございます!!

URL | 合谷 静香 #PMGTliFY
2010/06/16 18:09 | edit

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